2段階認証は、インターネットサービスなどを利用する際に、2つの異なる方法で本人確認を行うことで、セキュリティをより強くする仕組みです。
例えるなら、
- 1段階認証(通常のログイン): あなたの家のドアに鍵が1つだけかかっている状態です。鍵(パスワード)を持っていれば誰でも入れてしまいます。
- 2段階認証: あなたの家のドアに鍵が2つかかっている状態です。1つ目の鍵(パスワード)だけでなく、2つ目の鍵(例えば、合言葉や特別なカード)がないと家に入れません。
つまり、2つの異なる「鍵」がないとログインできないようにすることで、たとえ1つ目の鍵(パスワード)が何らかの理由で盗まれたり、漏れてしまったりしても、不正なログインを防ぐことができるのです。
なぜ2段階認証が必要なの?
通常のIDとパスワードだけの認証だと、以下のようなリスクがあります。
- パスワードの推測: 簡単なパスワードを使っている場合、他人に推測されやすい。
- パスワードの使い回し: 複数のサービスで同じパスワードを使っている場合、一つのサービスから漏洩すると他のサービスも危険になる。
- フィッシング詐欺: 偽のログイン画面にIDとパスワードを入力してしまい、情報が盗まれる。
- マルウェア: パソコンやスマートフォンに悪意のあるソフトが侵入し、入力したパスワードを盗み取る。
2段階認証を有効にすることで、これらのリスクを大幅に減らすことができます。
2段階認証の一般的な方法
2段階認証でよく使われる方法は、以下の2つを組み合わせるものです。
- 知っていること: これは通常のパスワードです。あなたが覚えている情報。
- 持っているもの: これはあなたのスマートフォンや、専用の認証機器(トークン)など、あなたが物理的に持っているものです。
具体的な組み合わせの例としては、以下のものがあります。
- パスワード + スマートフォンアプリで生成されるコード: ログイン時にパスワードを入力した後、スマートフォンにインストールした認証アプリ(例:Google Authenticator、Microsoft Authenticator)が生成する一時的なコード(ワンタイムパスワード)を入力します。
- パスワード + SMSで送信されるコード: ログイン時にパスワードを入力した後、登録した電話番号にSMSで送られてくる認証コードを入力します。
- パスワード + メールで送信されるコード: ログイン時にパスワードを入力した後、登録したメールアドレスに送られてくる認証コードを入力します。
- パスワード + 指紋認証や顔認証: パスワードを入力した後、スマートフォンの指紋認証や顔認証で本人確認を行います。
2段階認証の流れ(一般的な例)
- インターネットサービスにログインする際に、まず通常のIDとパスワードを入力します。
- サービス側が2段階目の認証を求めます。
- 設定している2段階認証の方法に従って、認証を行います。
- スマートフォンアプリのコードを入力
- SMSで送られてきたコードを入力
- メールで送られてきたコードを入力
- 指紋認証や顔認証を行う
- 2段階目の認証が成功すれば、ログインが完了します。
初心者向けのまとめ
2段階認証は、インターネットサービスをより安全に使うための「2重ロック」のような仕組みです。通常のパスワードに加えて、あなたのスマートフォンなど「あなたが持っているもの」を使った本人確認を行うことで、たとえパスワードが漏れても、不正なログインを防ぐことができます。少し手間は増えますが、大切な情報を守るために、できるだけ多くのサービスで2段階認証を設定することをおすすめします。